神話のくくるをめぐる
各地から多くの人々が集った白山。全国に存在する約三千社ともいわれる白山神社は、日本を包み潤す水脈のように人々の心の拠り所となってきました。
日本書紀にたった一行しか登場しない白山のご祭神 ”くくり姫 ”。 古代からの信仰に山岳修験に死と再生。そのルーツや融合も含めて謎多きといわれる白山信仰。現在に残る神話と忘れ去られた神話。多くの神々にまつわる物語とその呼び名。それらを秘めて自然の中に佇む神社や社をめぐり、聞こえてくるのはせせらぎと調和、中道のハーモニーでしょうか。
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白山とともに神々の姿が描かれている「白山曼荼羅」
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白山中居神社で7月に行われる「創業祭」
古代からの信仰に山岳修験に死と再生。現在に残る神話と忘れ去られた神話。多くの神々にまつわる物語とその呼び名。文献も少なく謎多きといわれる白山信仰ですが、全国に三千ほどの白山神社があるということと、白山参りに各地から多くの人々がやって来たことから、日本を包み潤す水脈のように、人々の心の拠り所となっていたことがわかります。
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阿弥陀ヶ滝で修験者は禊をして身体を清めた
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石徹白神在所入口の「注連張」は、人と神の領域との境界線
長滝白山神社から白山中居神社に至る道筋の社は神様と人が向き合う場所。「なぜ」ばかりでもいい。「わからない」こともおもしろい。機械にも「あそび」がないと壊れてしまうように、それは人の心を保つひとつの「あそび」でもあります。それらを許容して自然や神様と「あそぶ」。その奥にこそ、自分にとって大切なものが見えてくるのかもしれません。
神話の関連スポット
神話のくくるに関連するスポット
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白山曼荼羅
長滝白山神社に伝わる白山信仰の神々の姿を描いた曼荼羅図。阿弥陀ヶ滝の姿も描かれています。
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長滝白山神社本殿
長滝白山神社の三棟の本殿は、白山信仰における三つの山、御前峰、大汝峰、別山の神を祀ります。
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注連張(しめはり)
白山中居神社のある石徹白上在所地区の入り口に掛かる注連張は、人と神の領域の境界線とされます。
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盤境
境内に祀られる「磐境」は、神様が降りてくる目印となる場所で、太古からの自然信仰の名残です
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白山中居神社
白山への登拝口に鎮座する神社で、境内には白山の神である菊理媛神をはじめとする神々を祀ります。
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白山中居神社創業祭
毎年7月の第3日曜日に行われる夏季の例大祭です。古来の祭祀場であった「磐境」の前で巫女の舞が奉納されます。
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