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山から長良川へ
水の恵みを繋ぐ名瀑

山からの水の恵みを長良川へと繋ぐ阿弥陀ヶ滝は、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎が描いたことでも知られます。かつて行者たちが身を清めた滝の水面にたどり着き生まれる水煙と轟音が優しくわたしたちを包みこみます。

白山の雪溶け水は、滝を通じて長良川の流れとなり麓を潤します。山から流れてきた水の一粒一粒がひとすじの流れとなって滝壺へと落ちるその営みは、悠久の昔からいつの時代も変わることなく続いてきました。かつては白山の修行場として、行者たちが清らかな流れで身を清めたと伝わります。阿弥陀ヶ滝の名は、室町時代に滝裏の巌で白山中宮長瀧寺の僧侶が修行の末に感じた、阿弥陀如来の姿に由来すると伝わります。

  • 葛飾北斎 画 諸國瀧廻り 阿弥陀ヶ滝。

  • 洞窟内に鎮座する菩薩像。

古い時代より白山とともに長良川の水の恵みの源として親しまれていた阿弥陀ヶ滝。白山信仰の霊爆にして、 落差六十メートルという東海一の長さを誇るその姿から「長滝」とも呼ばれ、長滝白山神社や白山長瀧寺の名の由来ともなりました。葛飾北斎が描いた巨大な薬玉のような情景は圧巻です。

  • 花ノ本聴秋が詠んだ阿弥陀ヶ滝の歌碑。

  • 虹を吐く神秘的な光景。

阿弥陀ヶ滝はその壮観な光景から、歌の題材にもなりました。散策路の途中にある花ノ本聴秋の歌碑「虹を吐いて夏よせ付けず滝の音」の歌のように、早朝の日差しと気象、 立ち位置によってみられる滝壺から吐くように虹が立ち現われる神秘的な光景に出逢えるかもしれません。白鳥おどりや拝殿踊り、郡上おどりにも唄われ、その評判を過去から現在、未来へと響かせています。「見たか聞いたか阿弥陀ヶ滝の 滝の高さとあの音を」「滝をみるなら阿弥陀ヶ滝よ 滝のしぶきに虹の橋」

エリア内のみどころ

  • 阿弥陀堂

    阿弥陀堂

    滝へ向かう遊歩道の脇にあるお堂で、滝の名の由来となった仏である阿弥陀如来を祀ります。

  • 花ノ本聴秋歌碑

    花ノ本聴秋歌碑

    阿弥陀堂脇に立つ歌碑で、明治~昭和初期の俳人「花ノ本聴秋」が詠んだ阿弥陀ヶ滝の歌が刻まれています。

  • 虹を吐く滝

    虹を吐く滝

    花ノ本聴秋の歌にも詠まれたその姿は、早朝の日差しと気象条件、立ち位置が重なると現れるそうです。

  • 葛飾北斎『諸国滝廻リ』木曾路ノ奥阿弥陀の滝

    葛飾北斎『諸国滝廻リ』木曾路ノ奥阿弥陀の滝

    阿弥陀ヶ滝は信仰に基づく名瀑として、浮世絵師の葛飾北斎もその姿を描いています。

  • 菩薩像

    菩薩像

    滝の北側には洞窟があり、かつては長滝寺の僧がこの洞窟で修行を行ったと伝わります。

  • 村間ヶ池

    村間ヶ池

    阿弥陀ヶ滝近くの山上にある池で、流れ込む川も出る川も見当たらないのに常に水を湛える不思議な池です。

スポット情報

住所 〒501-5101
岐阜県郡上市白鳥町前谷
電話番号 0575-82-5900
(白鳥観光協会|火曜定休)
駐車場 無料駐車場あり

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