伝承のくくるをめぐる
水の恵みへの願いや感謝の表現は、各地の神社などで季節を通じて行われる多彩な芸能や祭礼として今も受け継がれています。それらは、農耕を司る白山の神への豊作の願掛けや感謝、雨乞いの儀式などが元といわれます。
新春の始まりに長滝白山神社で舞われる「延年」。春の白山中居神社で二人の巫女が舞う「五段の神楽」、5月5日に長滝白山神社で行われる「でででん祭り」の神輿渡御。秋には各地の神社で秋祭りが奉納されます。四季の折々に行われる祭礼は、自然の営みに寄り添ってきた暮らしの文化を伝えてくれます。
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地元の女児が巫女として舞うこの地域でも珍しい巫女神楽
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「延年の舞」は、足踏みのような所作が基本となっている
7月9日に長滝白山神社で行われる発祥祭で最初に踊られる『場所おどり』は、盂蘭盆会の満月に合わせ長滝を訪れた石徹白の住民が、登拝した白山の様子や讃美を唄で納め、長滝住民が唄で返す唄盃(うたさかずき)が元といわれます。天井に吊られた灯篭の下で、誰もが踊りの輪に入り、唄い踊る恍惚的な空間はどこか原始的な懐かしさで人々を魅了します。
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前谷白山神社の白鳥の夏の風物詩「拝殿踊り」
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郡上一揆の歴史を伝える「宝暦義民太鼓」
お盆の徹夜おどりの幕開けなどに披露される宝暦義民太鼓。現代の踊りの場と、江戸時代の郡上一揆や義民たちの歴史を繋ぎ、平和への願いを伝えます。気が遠くなるような時空を越え、神様を囲み輪(和・環)になって受け継がれてきた芸能や祭礼。ステップを踏むような舞や踊りの足さばきは、土地の霊を鎮め、歓喜させ、水の恵みへの感謝や願いを繋いでいきます。
伝承の関連スポット
伝承のくくるに関連するスポット
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六日祭
長滝白山神社の1月6日の例祭で、厳かな延年の舞と、参拝者が天井の花笠を取り合う勇壮な「花奪い」で知られます。
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でででん祭
長滝白山神社で5月5日に行われる例祭です。「でででん」という太鼓の音とともに三つの神輿が進みます。
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白山中居神社春季例祭
毎年5月の第3日曜日に行われる例祭では、平安時代から伝わる巫女神楽、「五段の神楽」が奉納されます。
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白山中居神社創業祭
毎年7月の第3日曜日に行われる夏季の例大祭です。古来の祭祀場であった「磐境」の前で巫女の舞が奉納されます。
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白鳥の拝殿踊り
白鳥では夏になると、長滝白山神社をはじめ、各地の神社拝殿で拝殿踊りが開催されます。
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北濃駅 転車台
長良川鉄道の終着駅である北濃駅の裏に保存展示される転車台。昭和9年に岐阜駅から移設されました。
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