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神のくくるをめぐる

取材

長滝白山神社の『でででん祭り』

ライター︰下田知幸

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日時|2024年5月5日 13時ごろ〜(神事)

場所|長滝白山神社

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『でででん祭り』とは?


長滝白山神社では、毎年5月5日に「でででん祭り」と呼ばれる祭礼行事が行われています。

江戸時代に書かれた長滝の祭礼に関する古文書、「修正延年並祭礼次第(しゅじょうえんねんならびにさいれいしだい)」には、毎年の正月6日に催される延年(えんねん)の舞が5月5日にも行われており、加えて御輿御幸(みこしぎょうこう)(神社から御輿に神霊をお移しして、氏子が住む地域を巡る行事)があったことが記されています。

その起源がいつであるのかは明らかではありませんが、そのうちの御輿御幸が当年の豊作・無病息災を祈願する長滝白山神社の例祭として伝わり、現在の「でででん祭り」になったと言われています。

白山三社の御神体を奉じた三基の御輿(みこし)を神社の氏子たちが担ぎ、神社の境内(けいだい)から参道を行き来する間に打ち鳴らされる、「でででん、でででん」という太鼓の音からその名がついたと言われるこの祭礼は、足早に担ぎ出された御輿(みこし)が参道の中ほどにある神橋(太鼓橋)を駆けあがる際に、これがもたつかずうまく越えられるかどうかが見所の一つとなっています。


進行について


・神輿は祭礼前日の5月4日に本殿より拝殿に移されます。

・神事が始まるまで、拝殿に置かれた三基の神輿の下を「でででん・でででん」という太鼓の音とともに潜るとその年は健康でいられるといわれます。

・当日は午後1時になると、神社の拝殿に奉じられた御輿(みこし)の前で神事が執り行われます。

・神事が終わると、拝殿の舞台脇にある太鼓が「でででん、でででん」と打ち鳴らされ、三基の神輿が担ぎ手である輿(こし)かき達によって拝殿から境内に出され、御輿の御幸が始まります。

・御輿(みこし)は参道を進んで太皷橋を越え、御旅所(おたびしょ)となる、大鳥居の外の参道駐車場へと向かいます。

・御旅所では御輿の前で祝詞奏上(のりとそうじょう)とが行われ、供物(くもつ)の菖蒲(しょうぶ)を一本さした御神酒壺(おみきつぼ)から、氏子、輿(こし)かきたちが御神酒(おみき)を手に受けいただきます。

・その後、御輿は輿(こし)かき達に担がれ、再び馳(は)せるようにして参道を登り境内へ戻っていきます。

・帰りの道行でも、途中の太鼓橋(たいこばし)を登っていきます。太鼓橋を越え、銀杏坂(いちょうざか)を上った御輿は、境内の広庭を三回ほど回り、拝殿の左側から各社殿に還(かえ)ります。

・各社殿の前に御輿(みこし)が納まると、それぞれの御輿(みこし)に御飯と椀(わん)が供えられます。

・各社殿の御輿への御供えが終わると、神事が行われ、神事の後に拝殿にて御供えした御飯が氏子や参拝者に振る舞われます。これをいただくと健康で、山へ行ってもマムシに噛まれたり、草かぶれしたりしないと言われています。


注意事項


神事の時間は進行や来賓の方の数等により毎年異なります。
正確な出発時間はお伝えしにくいのですが、目安としては神事開始から30分後くらいの『午後1時30分』頃からかと思われます。

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