神の世界と
人の世界の境界線
神社へ向かう道中に張られた神域と下界を隔てる注連張(しめはり)を抜け、ひとたび神域に入ると自然や神への畏怖が感じられます。その先の百五十本にも及ぶ杉の大木に囲まれた荘厳な境内の中に社が鎮座しています。
白山信仰とともに栄えた白山麓の集落、石徹白にある白山中居神社。神が座す神域である白山と、 俗世である人の住む里の境界にあるこの地には、 神様が中居りされるといいます。神社の境内には、大日孁貴(おおひるめのむち)はじめ諸々の神様が祀られ、縄文の古より山を降りてきた神が依り代とした磐境(いわさか)に、いにしえからの信仰の姿が感じられます。
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本殿の彫刻「粟に鶉(うずら)」は、諏訪の立川流による。
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神仏習合の面影を残す両部鳥居。
石徹白には各所に縄文時代からの遺跡があり、 約九千年前の石器や、 勾玉、 土器などが多く出土しており、神社境内の磐境(いわさか)ともあわせて、この集落が太古から祈りとともに生活してきた場所であることがうかがえます。気が遠くなるような時空を超えてこの地で大切にされてきたのは、神を囲み皆が丸く輪 (環 ・ 和) となること。 祭礼後の直来(なおらい)でも、 神様を囲み丸くなることが尊ばれてきました。
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木々の山道を歩くと厳かさは増し心は静まってゆく。
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宮川にかかる宮川橋(布橋)はこの世とあの世の境界といわれる。
入口の大きな鳥居をくぐった先の荘厳な杜では、大自然の懐のなかに没入するような神秘的な安心感に包まれます。自然の中に思考を手放し、まっさらな自分を感じる時、白山への信仰や白の意味する霊性(清浄、無垢、再生)を身近に感じられるかもしれません。
エリア内のみどころ
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浄安スギ
白山中居神社の裏山にある大きなスギで、地上1.8mのところで幹が2幹に分かれた姿が特徴です。
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宮川橋(布橋)
鳥居と境内の間を流れる宮川は、世俗の世界と神の世界の境界と云われていました。
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盤境
境内に祀られる「磐境」は、神様が降りてくる目印となる場所で、太古からの自然信仰の名残です
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イボ取岩
大鳥居の先の右手にある、石のくぼみに溜まった雨水をイボにつけると、イボが取れるそうです。
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白山中居神社春季例大祭
毎年5月の第3日曜日に行われる例祭では、平安時代から伝わる巫女神楽、「五段の神楽」が奉納されます。
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白山中居神社創業祭
毎年7月の第3日曜日に行われる夏季の例大祭です。古来の祭祀場であった「磐境」の前で巫女の舞が奉納されます。
スポット情報
住所 | 〒501-5231 岐阜県郡上市白鳥町石徹白3-48 |
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駐車場 | 無料駐車場あり |
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